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飲食店の経費管理に欠かせない基礎知識と削減方法!

飲食店経営を行っていく場合に、経営者がやらなければならないことは多岐にわたります。
お客様に喜ばれるメニューを作る、宣伝をする、アルバイトを雇う、料理を作るなどがあげられますが、もうひとつ大切なことがあります。
それが収支管理です。
収支管理のポイントは経費管理にあるといわれています。
そこで、収支管理の中でも重要な経費管理について紹介します。

飲食店の経費管理はまず項目や科目を一覧化することから

飲食店の経費管理を行うためには、まずどんな費用が発生しているのかを項目別、科目別に把握して一覧化することが大切です。
ほとんどの飲食店では伝統的な複式簿記に則って損益計算書を作成しているはずですが、税理士や経理担当者に任せきりで十分分析していないというケースもあるでしょう。
経費管理をしっかり行い利益を増やすためには、まず損益計算書を活用することが重要です。
損益計算書を作成することによって、一般的な勘定科目分類はすでに終わっていますので、原材料コストにあたる売上原価や消耗品、交際費、原動費そして支払家賃など科目ごとの経費発生金額は簡単に把握できます。

また、例えば売上原価や原動費などについてもっと詳しい項目別のデータが必要だと感じる場合はさらに細分化してもよいでしょう。
損益計算書などのデータが揃ったら経費の分析が可能になるはずですが、損益計算書が1年分あっただけでは十分な分析をするのは難しいです。
数年分を科目別一覧表にまとめたり、月ごとの損益計算書を作成したりするなどデータを分析しやすくする工夫が大切です。

経費管理のポイントは固定費と変動費を分けて考えること

項目別・科目別に経費が把握できたら次に分析を行います。
経費分析にはさまざまな手法がありますが、代表的な方法は経費を固定費と変動費に分けてそれぞれについて分析を行う方法です。
固定費とは、店舗の家賃やアルバイトの人件費などほとんど一定の金額で毎月継続的に発生する経費のことで、発生金額が固定的であることから固定費と呼ばれています。

変動費とはその名の通り変動する費用のことですが、売上と連動して変動するものを変動費と呼んでいます。
固定費と変動費に分けて経費分析を行うことによって、分析結果を踏まえて経費削減などの改善活動を行う場合にやりやすくなるメリットや売り上げ規模の変動による利益の変化を予測しやすくなるなどのメリットがあります。

固定費は売上がなくても発生する経費ですので、固定費に分類される経費科目の金額をいかに減らすかが長期的に店舗経営を続けていくためのポイントとなります。
また、変動費を下げることによって1食売り上げるごとに獲得できる粗利益が増加し利益が出やすい経営体質にできますので、変動費を減らすことは収益力向上に役立つといえるでしょう。

固定費と変動費は例えば何?

固定費と変動費についての考え方をご理解頂いた上で、具体駅にどのような費用が該当するのかを見ていきましょう。
細かく書いてしまうと小難しくなってしまうので、カテゴリ別に大きく区分けを行いました。

<固定費>

  • 家賃
    店舗の不動産賃料は勿論のこと、共益費や売上歩合家賃などを合わせた費用が該当します。
    これは売り上げ額の10%以下に抑えるべきなので、座席数や回転率、客単価から目標売り上げ額を設定し、その売り上げ額の10%を超えていないかをチェックしましょう。
  • その他の固定費
    例えば業務用冷蔵庫のリース費用、高額なものを購入した際の減価償却費、融資を受けた場合の支払利息などを合わせた費用です。
    飲食店開業前にある程度の資産が可能なので、試算をしておくようにしておきましょう。
    その他固定費も家賃と同様に売り上げ額の10%以下に抑える必要があります。

<変動費>

  • 原価
    食材やお酒など、仕入れに関する費用、料理に関わる費用が該当します。
    原価を下げるとなるとパッと思い浮かぶことが、食材の質やお酒の質を落とすことではないでしょうか。
    確かにこの方法であれば簡単に落ちますが、お客様が離れてしまう可能性が高いです。
    過不足なく仕入れることを心がけ、仕入れルートの見直しや無駄がないかを細かくチェックすることが原価抑制に繋がるので、管理を徹底するしかありません。
    原価は売り上げ額の30%以下に抑えなければならない為、シビアに検討しましょう。
  • 人件費
    雇用している社員の給与、アルバイトスタッフの給与、従業員やアルバイトスタッフの通勤交通費や食費、福利厚生費などが該当します。
    仕入れ費用と並んで、人件費は飲食店の最も大きな経費の1つです。
    適切な人数でお店を回す必要があり、もしかしたら最初はオーナーである貴方が作業をして人件費を削減する必要があるかもしれません。
    ここでも大切なのがホスピタリティとの兼ね合い。
    少ない人数でお店を回そうとするとオーバーワークとなり、サービスの質が悪くなることが懸念されます。
    日によって客数が異なる為、マネジメントが難しいのですが、既存の予約数などを把握してシフトを組むようにしましょう。
    人件費については売り上げ額の27%に抑える必要があります。
  • 水道光熱費
    飲食店のような電気やガスを多く用いる場合は、光熱費もバカになりません。
    売り上げ額の5%以下になるように抑える必要があります。
  • 販売促進費
    広告宣伝に用いる費用が該当します。
    街中に看板を設置したり、チラシを作成したりFAXを出したり。今ではインターネット広告が販売促進費では最も大きいケースがあるのかもしれません。
    費用対効果を算出し、使う広告とそうでない広告を切り分けて削減をしましょう。
    販売促進費は売り上げ額の3%以下に抑えることが理想です。
  • その他変動費
    事務用品等の消耗品、破損物の修繕費、インターネットやFAXなどの通信費が該当します。
    これらの費用は売り上げ額の5%以下に抑えるようにしましょう。

これらの経費は具体的にどれくらい?

上述の通り、経費は売り上げ額に依って目安が異なります。
計算の仕方は1日いくらの売り上げを立てることが出来そうか?から算出をしましょう。
例えば1日15万円の売り上げを立てる計画の場合、それぞれの月間経費は下記に抑える必要があります。

  • 家賃:45万円
  • その他固定費:45万円
  • 原価:135万円
  • 人件費:121万5000円
  • 水道光熱費:22万5000円
  • 販売促進費:13万5000円
  • その他変動費:22万5000円

上を達成することが出来れば、残るお金は売り上げ額の10%。
つまり利益は45万円です。

固定費と変動費の削減方法とは?

経費を科目別・項目別に分け、さらに固定費と変動費に分けて分析したらいよいよ削減できる経費をカットする段階に入ります。
経費を減らすためのポイントは固定費と変動費で少し違いますので、飲食店経営者は知っておくとよいでしょう。
まず固定費の削減です。
固定費は店舗が存続するためにかかるコストだと理解しておけば問題ありません。
店舗を賃貸している場合の支払家賃や電気ガス水道などの原動費を支払わなければ経営活動拠点の維持はできません。
そのため、最低限の固定費は必要です。
しかし、長期的に発生するコストですので削減することによる影響は大きいといえます。
店舗存続のために最低限何が必要なのかという観点で過剰な固定費を探して削減するとよいでしょう。
次に変動費の削減です。変動費を下げることができれば一食当たりの利益が増えます。
飲食店の変動費の中では原材料費が金額の大部分を占めるのが一般的です。
そのため、この原材料費をいかに下げるかを工夫することが変動費削減の近道となります。
飲食店の経営者はやるべきことが多く大変ですが、経費については科目別などを一覧で把握し固定費と変動費に分けたうえで分析して削減することを欠かさずに行う必要があります。

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